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お知らせ

会員セミナーレポート

2013.11.06

当団体の会員セミナーを開催しました。

10月15日(火)午後、愛知県産業労働センター(ウインクあいち)にて、会員セミナーを開催しました。
台風の影響で冷えこみ、最高気温が20度を下回る雨の日でしたが、“言語の壁を越える”をテーマに集まった会員が、 ゲストのお話や便利なサービスのプレゼンテーションを熱心に聴きいりました。


須田寛幹事(日本観光推進協議会中部支部長)

冒頭、事務局からは、先回実施した会員アンケート集計結果や、リリースされたばかりの中文簡体WEBサイトの内容を報告。

続いて、須田寛(日本観光推進協議会中部支部長)幹事のスピーチでは「東京オリンピック」のお話が。

「2020東京オリンピックで懸念される当エリア観光の危機」

1964年に開催された東京オリンピックの際も、オリンピックをしっかり愉しみたい観光客が多く、名古屋をはじめ中部地域へ足を延ばした観光客は非常に少 なかったこと。さらに、2020年開催のオリンピックは東北復興が重視されているために、国内外からのビジターが観光に向かうとしても、その動線は東北に延 びていき、中部エリアはそこから外されてしまう公算も強いこと。
そのため、次回オリンピックが開催されても、当地域への波及効果は極めて少なかった、という結果に終わる懸念がある…というお話に、参加者の耳がそば立ちました。

今から計画をたて、昇龍道プロジェクト方式に倣って官民が広域的に連携し、早期から対応することが最重要。
受入れ態勢の整備とムードづくりをした上で観光振興を図る好機にし、中 部全体で「ピンチをチャンス!」に変えましょう!と語っていただきました。

ゲストスピーカーは、高山市の郷土料理店「京や」の女将、西村京子さん。
ざっくばらんな語り口で、「京や流おもてなし」の秘密をお話いただきました。

~30数カ国からお客様をお迎えする~ 「 “言葉の壁”を越えた素朴なおもてなし 」


ポーランド語の手書きシート。これが30数ヶ国語分揃っている

築160年の民家を移築した風格ある建物で、飛騨牛や岩魚、きのこ鍋など、 高山の郷土料理を楽しめる「京や」。なんと、夜8時過ぎになると100席近い 店内は、外国人客がほとんど。さまざまな言葉が飛び交い、賑わいます。 でも、女将さんが何ヶ国語も話せる訳はなく。代わりに活躍しているのが、 各国の言葉で「ありがとう」「「美味しいですか?」「肉・茶・漬物」「お勘定」 などの発音を手書きしたシート。これが、30数ヶ国分あるのです。

これらは、日本に進出した企業の社員のひとや観光客など、来店された外国人客に聞き書きしながらつくったもの。何年も書きためられ、使われて、手ずれしています。
夜、「京や」に行けば、訪れた外国人がどこの国のひとかを確認し、女将さんやスタッフがシートをつかんで席に向かう姿が必ず見れます。そして、朴葉焼きの食べ方を教えたり、漬物ステーキの説明をしたり。一緒に記念撮影をしたり。店内が一層賑わいます。
この素朴だけれど温かいコミュニケーションが、「片言だけど、自国語で迎えてくれる美味しい店がある」という口コミにつながり、食事をしたお客さまが自社で、自国で、周囲のひとに伝え、次から次へと訪問客が増えていったのが今の「京や」の外国人率の高さになっているのです。


「京や」の女将・西村京子さん

当初は失敗も多かったという女将さん。
国によっては、豚肉がダメ、出汁に鰹節が使われているのがダメ、など急遽の配慮が必要だったり。あるいは、飛騨牛を人数分一皿に盛りつけてお出しすると、お勘定のときに3人前と伝票に書かれていても、「皿は1つしか出ていなかった。だから、1人前しか払わない」と納得してもらえなかったりしたこともあったとか。 今は伝票に「スペイン」とか「イスラエル」と必ず書いていて、どこの国のひとなのかが厨房やスタッフに伝わるように工夫しているそうです。

今は年商の35%が外国人客による売上。国内観光客だけだと出ない利益を、外国人客によって稼ぎ出しているのだとか。
そして、新婚旅行で来てくださったカップルが、数年経って赤ちゃんを連れてまた訪ねてきてくれたり、自宅にプールが5つある富裕な実業家の一家がご子息の成人のお祝いを「京や」でぜひ、と来られて大満足で帰っていかれたとか、ハートウォーミィなエピソードがいっぱい。
「そうやって喜んでもらえるのが、やっぱり一番嬉しいです」という女将さんの笑顔が輝いたスピーチでした。


10月某夜の「京や」店内

外国人客にプレゼントして喜ばれている高山の絵葉書と手づくりのミニ折鶴
セミナー参加者の皆さんにも、絵葉書をいただきました。

「京や」だけでなく、高山市内の飲食店は外国人客の比率が高く、それを支えているのは、高山市の海外戦略。高山市役所のご協力を得て、事務局がその戦略のレポートを作成し、報告しました。

「外国人宿泊客数、再び18万人超に?! 「高山市の海外戦略」

プレゼンテーション:便利な多言語サービス紹介
①音えんぴつ ②多言語翻訳サービス

最後に、便利に使える多言語サービスのプレゼンテーション。
紙に印刷された文章や画像をペンでなぞると、紹介文を各国で話してくれる『音えんぴつ』と、『多言語翻訳サービス』をご紹介いただきました。


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